たいせつなきもち
アンテ

ほんのちいさな
おもいがけないよいことがあったときの
きみのひょうじょうがすきで
そんなふうにかんじるきもちがたいせつで
きがつくと
きみがよろこびそうなことを
せっせとひろいあつめては
てもちのふだをこだしにした
なにかがまちがっているきがして
けれどどれだけかんがえてもわからなくて
なやんだあげくに
きみにこくはくしてみた
とつぜんきみはまがおになって
どろんとしためでぼくをみつめるうち
かおがどろどろとけはじめて
なかからべつじんがあらわれた
それはぼくにとてもよくにていた
いったいどうしてくれるのよ
もうひとりのぼくは
じょうはんしんをぐいとのりだして
ぼくのひたいをゆびではじいた
こしがぬけて
こえをうしなっていると
もうひとりのぼくはくすくすわらって
するとまたかおがどろどろとけはじめて
なかからもとのきみがあらわれた
これでおあいこね
きみはひょいとてをさしだして
ぼくをたたせてから
それで というふうにくびをかしげた
もちろん
てもちなんてなかった




自由詩 たいせつなきもち Copyright アンテ 2004-07-18 08:24:06
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