とかが
ひとあめ

かたりとなる昨年の暮れから
おそらくかなしばりにあいながらみる
まつげのさきの閉じかけのまぶたが愛らしかったとか
ぬるくひかっている足の爪のはがれぐあいだとか
いつも指をうごかしている完成をみれない
ちぎれるだろう細い白よりも光にちかそうな糸の
ほこりが毛足の長い絨毯に挟まっているとか

ふふふ、とほほえむだけの女なのか男なのかが
おそらく幸せなのだろうと
みるのをやめた

それもあれももう
ない




自由詩 とかが Copyright ひとあめ 2008-07-09 21:07:09
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