曇天の午後 / いつものイタリアンレストランで
beebee



今日はまた曇天の気持ちが
重たくぼくを暗くする
通りを走り過ぎる自転車の少女も
手を繋いで歩いている老夫婦も
みんな静かな見えない時を歩いている
雨がやって来れば良いのに
蒸し暑い午後の空気をかき消すような雨よ
ざあっとやって来いよ
野球帽を被った少年が
思わず帽子を被り直すように
雑誌を片手に歩いているOLが
思わず雑誌を頭の上にかざすように

ざあっとやって来いよ 雨よ
ざあっとやって来い

《遅めの昼食のレストラン
 前菜もメインも終わってすっきりと
 デザートとコーヒーを食べたいよ(笑》
  *作品としては、はずして読んでね

鈍色のコンクリートのマンション群は
通りの並木道がラインを引き
イタリアンレストランの窓のサッシが
曇天を支えている
支えきれずこぼれ落ちで来るのが雫なら
ざあっと一人で浴びてもいいかな
夏の雨


自由詩 曇天の午後 / いつものイタリアンレストランで Copyright beebee 2008-07-01 00:36:18
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いつものイタリアンレストラン