もんしろ
「ま」の字

夏が来て
ちいさな歩道に
気のはやい病葉が舞いだすころには
わたしはもう
いないかもしれないけれど
いまはやわらかい
光のなかを飛んでゆくわたしを見てください

(きっとあなたは
 私のことを忘れてしまう)

けんめいに羽をひるがえすわたしを見て
あなたはただ わらってください
かわいいねと
無邪気にわたしを 指さしてください

 この粧いも羽もぼろぼろになり
 疲れ切って死ぬときには
 けっしてあなたの近くにはおりません

いいえあなたがわたしをみてよろこんでくれるのが
ただ とてもうれしい

ほら、今にもあなたの
指先にとまりましょう


自由詩 もんしろ Copyright 「ま」の字 2008-06-28 21:42:20
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