読書の姿勢
アハウ

伏臥の悦楽がやってきて

無音の法悦に浸りながら

大気の肌に触れたなら


読みかけの「ジャンクリストフ」
どんな偉大さでも、偉大なものはすべてりっぱである。
苦悩もその頂点に達すると、解放に到達したようなものである。

芸術家の苦悩も、諸君にとっては一つの見せ者である。

一つの曲が聞こえてきた。彼は静かな気持ちで作曲していた。
ああ!美しい音楽だ!


横になったまま
コーヒーとタバコをテーブルに投げ置き
ひと肌の大気しっとりと湿った感覚を味わって
寝息のように静かに呼吸をして
このずっしりと重たい全集物を制覇しようとして
ゴロンとした ライオンの昼寝のような態勢で
足先を尻尾のように無意識に動かしながら

大気の鳥たちのさえずりを耳にして

活字を追っている

獲物を待つ
彼らのように


自由詩 読書の姿勢 Copyright アハウ 2008-06-28 16:28:30
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