カルテ
ふるる

兎の模様にみんな病んだ
蝶に倒れた
病院は花園
看護婦さん三階で井戸堀る
注射を打つ廊下
点滴ぶら下げる香水
百日も紅が治らない
いいにおいのする
いいにおいだけのする
包帯は無地
つまびらかに明かされる
あの医師の角の角度
聴診器は蔓のように絡まり
鼓動聴いたためしなし
病院は花園
白いものをほどいて
ぼんやり白い道たどれ
みんなまだ倒れている
季節だから治療法はない


自由詩 カルテ Copyright ふるる 2008-06-27 23:08:14
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