誕生の日
服部 剛
もし過去というものに
遡
(
さかのぼ
)
れるなら
初めて母の胎を出た
あの誕生の日に還ろう
まぶねに寝かされた
幼子のまんま
理由も無く
天に向かって泣き叫ぼう
大人になったふりをする今も
あの日の幼子は
私の内側に無防備にも
裸を
晒
(
さら
)
している
( 一体何を惑うことがあろう・・・ )
誕生の日から終わりの日まで
すべてを
委
(
ゆだ
)
ねた私の命は
何者かの透きとおった両手に
ずっと包まれていた
世界の何処にも無い
たった一つの
宝のように
自由詩
誕生の日
Copyright
服部 剛
2008-06-26 21:12:44
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