殺人事件
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この手紙を読んでいるころには
私は世界から消えているでしょう。
これは遺書なんかじゃありません。
残したい言葉なんかなにもありません。
ただ、このまま消えるのもくやしいので、
理由だけははっきりしておきたいと思います。

あれはクラスがえをした四月のことでした。
ようちえんのころから仲良かったAさんと
ブログのコメントでケンカしました。
私はちゃんとあやまろうとしました。
でもAさんは口をきいてくれませんでした。
それからいじめが始まりました。
BさんもCさんも一緒になって
悪口を言ったりものを隠したりしてきました。
たえられなくて私はAさんにつかみかかりました。
D先生はそこだけ見ていて
いっぽうてきに私を悪者あつかいしました。
いじめのことを話しても聞いてくれませんでした。
それからは無視されるようになりました。
クラスのみんながグルになって私を無視しました。
そのあともものが無くなったり
おべんとうの中に変なものが入っていたり
いやなことが続きました。
リストカットした経験があるから
誰もまともに相手してくれませんでした。
ほんとうは学校に行きたくありあせんでした。
だけど親は休もうとするとすぐに怒りました。
学校のことを話そうとしても
いそがしいと言って聞いてくれませんでした。
それなのに成績のことはうるさく口に出してきました。
満点とってもほめてくれないのに
少しでも点数が下がると怒られました。
勉強するのがいやになりました。
うちに帰るのがいやになりました。
だからいろんなところをわたり歩きました。
カラオケボックス・ネットカフェ・公園・川のほとり
どこへ行っても私を必要としてくれる人はいませんでした。
だから学校の屋上にしのびこみました。
消えるのはこわいです。
でも生きるのはもっとこわいです。
考えることにつかれました。
ごめんなさい。
さようなら。

いまさら泣いたりしないでください。


自由詩 殺人事件 Copyright 1486 106 2008-06-26 19:15:35
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