扉
よしおかさくら
開けた覚えもなく外に出ている
知っている
扉の向こうに何があるか
誰が微笑んでいるか
辿り着けるかどうかをわかってもいないのに
10時と16時にお茶を飲み
回転しすぎて聴けなくなったCDを聴く
ここ最近の悪い習慣
開いている扉からどうぞと
云ったつもりだったのだけど
なぜ通じないんだろう
バイクのエンジン音 雷に聞こえて
一日が過ぎたと知った
ニュースを見ては喪に服していると
誰とも口が利けなくなってしまうので
余計におどけることになる
自然災害を眺めているのが大多数
そのほとんどがほっとし
気の毒に思っているのに
それと知りながら自殺する者もいる
自分のことしか見えない者がいる
辛いときの気持ちをまた忘れてしまって
ごめんなさい
ごめんなさい
見もしない人々を道連れにする者が少人数
いるのだ
いるのか
いるのか
ただただ悲しい
なぜひとは幸せを続けられないのだろう
なぜ平等に笑顔になれない
バスタブから漂ってくる白樺の香りは
なんという柔らかさだろう
足りないものを全部持っているようだ
今日も遊びに行こうか
そんなことが
できるだろうか
開けられるだろうか
扉を
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創書日和、過去。