無題
ツ
窓の向こうの暗がりを
めまぐるしく流れてゆく
幽かな光の群れ
一日の終わりと
そして あたらしく
始まるための
束の間のひととき
仕事用のデータを
サーバに投げ
朝顔みたいに開いた
君の寝顔をのぞき込み
ひとりリビングを通り抜けて
不浄に向かう
エーテルに満たされた
宇宙の寝息だけが ひっそりと
ただ ひっそりと
うち寄せる
窓辺
ゆっくりと、ズボンのチャックを下ろす
支配されない時間
誰のものでもない時間
私だけの時間
そういえば俺は喉も渇いている
どこにも行けない
あなたの情熱が
窓ガラスにぶつかっては
砕ける