眠ってる場合じゃないぜ
nm6

眠ってる場合じゃないぜ
ある午後
気が重たい電子音が浅く
光る地平の線が向こうの方で
本棚の背後から
脱走して拘束する両耳から
貫通するガラスの欠片のその輪郭が
つま先から冷たく繰り越していくのを
忘却の
携帯電話の小さなマイク越しに
忘却の
あしらった恍惚の鼻の穴越しに
君のうすい胸元がすこし空くのを
紙飛行機風にアレンジした桃色のツバメの視線で
うなじ越しに通り抜ける夏にして
涼しげに覗く両腕いっぱいの上白糖を
放り込む
優雅に沸騰する海に抱かれて
溶けて去り行く餞別に受け取った海に抱かれて
見開け
紙飛行機風にアレンジした桃色のツバメの視線で
紙飛行機風にアレンジした桃色のツバメの視線で
気が重たい電子音が本棚の背後から
気が重たい電子音が脱走して拘束する両耳から
ああ世界が、世界がザ・ワールド
君のうすい胸元はすこし空く
眠ってる場合じゃないぜ


自由詩 眠ってる場合じゃないぜ Copyright nm6 2008-06-07 21:11:28
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