一時の春を君と
進羅

桜が好きな君と歩いた人通りが少ない桜道
嬉しそうにはにかみながら桜を眺める君
そしてその姿を見つめる僕


「また、雨が降って。桜も散ってしまうね」
愛しそうに桜を眺める君がポツリとつぶやく
「そうだね、桜はすぐに散ってしまうね」
その言葉にやっと君は僕を見て

「だけど、また春には咲き誇る事ができるわ」
そう言ってとても奇麗に微笑んだ

『桜を見に行こう』その口実がなくなって
君とまた二人で この場所セカイに訪れる事ができるのは
いったいどれくらいの月日を過ごさなければならないのだろう

「散ってしまわなければいいのに」
だって君ともっと一緒に居たいから
「仕方のない事よ」
僕の気持ちを知らない君はつぶやく


青い空に桃色の風
次の雨で この風景は終幕おわりを迎える



春に降る雨は 何故か暖かくて哀しかった


自由詩 一時の春を君と Copyright 進羅 2008-06-06 17:01:45
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