離婚届
1486 106

一昨日から降り続く雨のせいなのか
それとも空気を察したからなのか
観葉植物が申し訳なさそうに
リビングの隅で縮こまっている

子どもには駅に着いてから話すから
新しいアパートも借りてあるから
弁護士が絡むとややこしくなるから
お金の話はやめにしよう

事務的な会話が進んでいく
無機質な時間が流れていく
変わらない愛を誓った二人が
たった一枚の紙切れで他人になる

たった一枚の紙切れで他人になる

印鑑を押したらすべてが終わる
せめて指輪だけは置いていかないで
間違った関係だったとしても
過ごした日々まで無駄にしたくない


自由詩 離婚届 Copyright 1486 106 2008-06-05 12:50:02
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