blood
海美

いつもいつも瞳で泣かずに
手首で泣いている夜があった

手首がチクチク痛み出す
だからあたしは滴るそれを舐めてみた
鉄の味 錆びたスプーンのような味

それでも止まらず
あたしは手首で泣き続ける

いつだったか手首で泣かずに
瞳で泣いていた夜もあった

心がズキズキ疼きだす
だからあたしは高ぶる鼓動オフにして
心の傷 錆びた鉄くずのようなそれ

何故だか止まらず
あたしは涙を流していた

瞳で泣けずに手首で泣いた
心で泣けずに手首を切った
体が泣いてて手首より痛い

苦しい螺旋階段は続く
傷まみれの腕で
あと何回泣けるだろう?


自由詩 blood Copyright 海美 2004-07-12 23:24:41
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