ガラス越し
1486 106

降りしきる雨の中
鞄を傘にして男が走っている
僕は喫茶店でアイスティーを飲みながら
ガラス越しにそれを眺めている

あの男の人のことを
辛そうだとか
悲しそうだとか
形容するのは簡単だけど
ガラス越しに見ているだけじゃ
その真相は分からない

降りしきる雨の中
男は雑踏に消えていった
アイスティーを飲みおわっても
ガラス越しにそれを眺めたまま


自由詩 ガラス越し Copyright 1486 106 2008-06-02 03:19:54
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