「模索する太陽 (みさちゃんとぼくの色)」
ベンジャミン

ピンクのクレヨンで太陽を描いた
みさちゃんが先生に怒られてるのをみて泣いた

だってみさちゃんはピンクで太陽を描きたくて
それを怒るのは可愛そうだと思ったし
ぼくが赤のクレヨンで描いた太陽よりも
みさちゃんが描いた太陽のほうが
なんだかあたたかく感じたし
先生は太陽を何色で描いたらいいかなんて
ぜんぜん教えてくれなかったから

怒られたみさちゃんのわきで
ぼくも一緒になって泣いていたら
みさちゃんのほっぺが太陽みたいだなって
さわったらやけどしちゃいそうなくらい
きっとぼくのほっぺも真っ赤になって
それもやっぱり太陽みたいだったらいいな
だってからだの一部が太陽みたいな
熱のかたまりだったらすごいし

それより
みさちゃんの涙があふれてる

きっとみさちゃんは
いたずらでピンクにしたんじゃないし
だってあふれた涙が海みたいになってる
そこに真っ赤なほっぺが浮かんでるの
先生はちっとも気づかないのかな

ぼくは太陽の色なんかどうでもよくて
さっきからみさちゃんの中にある太陽を
みさちゃんと一緒に見てみたいなって思ってるよ

みさちゃんと一緒にながめたら
みさちゃんと同じ太陽を

僕も描けるのにな

   


自由詩 「模索する太陽 (みさちゃんとぼくの色)」 Copyright ベンジャミン 2008-05-31 20:47:45
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