どこまでが今日なのか
分からなくなった今日
昨日のテレビ欄を見たって
へぇ〜と吸って　ほぉ〜っと吐く
テレビは見ませんからいつだって新鮮なのです。

今日が分からなくなった今日
サングラスをかけたおばさんが
あさっての新聞を取りませんか？
とやって来てずいずい部屋へ上がる
もう新聞は５つぐらい取っているからお金がないのに

これが昨日のあさっての新聞です。
とそれを見せてくれた　一面には
「インコがしあさってで迷子になったが、おとといの日付を言ったので昨日に帰ってこれた」とある
私は今日さえ忘れているので
さっぱり理解できなかった

熱いので気をつけてください。
と出したお茶をおばさんは一気に飲んだ
あの。私、今日の新聞が読みたいんですけど。
サングラス越しのおばさんの目は
どこか潤んでいた

あさってはー　大切なあさってはー　もう誰もー
いないかもしれないのにー　新聞はー　伝えるんですー
その言葉に負けた
私、あさっての新聞取ります。
もう今日に縛られたくないから