高架下サウナ
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笑点を見ながらくつろいでいると
夜間責任者から電話が掛かってきた
どうやら稼働を見間違えていたらしく
約十五分間怒鳴り散らされた
しかしこちらも制服を返した後だったので
気を取り直して出掛けることにした

中学校前の交差点を右折して
高架下の駐車場に車を止めて
地下へ続く階段を降りていくと
そこは迷路のように入り組んだサウナ

水風呂の中に浸かっていると
誰かが名前を呼ぶ声がした
振り返ってみると
スーパーの常連のおじいちゃんだった
こうして会うのは何ヵ月ぶりだろう
皺の増えた顔に痩せ細った腕
しかし瞳はあの頃と同じで穏やかで
私と会えて若返った気分だと言われ
汗と一緒に何かが零れ落ちた


自由詩 高架下サウナ Copyright 1486 106 2008-05-23 08:35:38
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世にも奇妙な夢物語