ひろ君
蒼木りん

隣で何度もあくびをしては
「ねむたいの?」という
わたしの言葉をまっている
君の期待は
気づいても
気づかないふりしたから
さびしくなっていじけた
夜は長いから
携帯を鳴らすんでしょう

今度は
「なんで爪が長いの?」って
聞いてあげるから
手を触っても
ひっこめないで
楽しいことは
楽しいままで
言ってしまうと
するり逃げるから

誰かいると
強い顔をして
嫌いなそぶりされるから
悲しげなふりする
『臆病もん、、』
たくさんの逃げ道を
もっているなら
退屈しのぎに
冒険してみればいいじゃない

君は泣かせてみたいけど
わたしは
いまさら泣かないから
君の傷をちょっと見せてくれたら
なめてあげるよ
嬉しくなるくらい
やさしく
大きな君の瞳が
気にしてるのを知ってるから


自由詩 ひろ君 Copyright 蒼木りん 2008-05-20 14:04:28
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