カケデスト
木葉 揺

走る戦場に文字を投げつけてると
膠着した後、跳ねられました。

それは拒否ですね
戦いからも弾かれる
世の隅で土を掘り
突き当てた文字を
渡したかっただけなのに

今は黒い空を見て
地面と一体になっています
いつかショベルカーで掬われて
海辺に積み上げられるとき
体が砂のように流れたらいい

本当は異臭に満ちた
溶けることも許されぬ欠片と
ほんの少し混じる金歯なのだけど
砂粒に導かれ流れて落ちてゆきたい


自由詩 カケデスト Copyright 木葉 揺 2008-05-18 00:00:11
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