雲がのびてゆく
編み目を広げて

ただの雲と思うなよ
まだまだ空は広いから

犬の甘え鳴きが
のびきってほどける日を
知らせようとしている
言葉がまといつく
言葉がからみつく
私の皮膚に型がつくほど

言葉にしぼられて
肉がはみ出て
ちぎれ飛ぶ
飛んで飛んで全部宇宙へ

あとに残された
私の骨と言葉が
もつれ合い
 ....
帰ろうか、帰ろう
雲雀を見に
飛行機の音を聞きに

私の空想が止まる瞬間は
ワン!
という声が聞こえたとき
庭の草木すら記憶になく

ただ会うたび肯定してくれる
存在のもとに駆け寄 ....
岩のような物体がある
だけどそれは
確かな存在ではなく
既に灰の塊でしかない

ナイフの先から
たちまち感触が失われ
崩壊する固体
右手に力をこめ前進
わずかに灰をかぶるが
頭上か ....
遮光瓶をのぞくと
オイルが少しと
後悔がいっぱい見えました

私は窓を開けて
フタをとった瓶を掌にのせ
太陽に差し出しました

ほんのひととき
りんごのような香りが
漂って消えまし ....
キツツキがキツツいている
キツツかれた木は
最初だけ驚いて
すぐに
キツツかれることに
慣れてゆく

キツツキは無自覚に
キツツいて
気が済んで飛び去った
コンタクトレンズを
眼球に沿わせて
違和感のない時間が
つづいています

味方の夏がよく見える
快音の空の
むこうは見えないけれども
元気じゃない時は
人を助けたくて仕方がない

まずは元気になってからと
自分に言い聞かせて
ようやく余裕の出た時には
視野が広がって
他のことを思い付くんだ

必要な時しか
必要な ....
うまく息が吸えた瞬間の
安堵ヘ向かう手足の喜び
意欲に満ちた血の巡り

波の生き様に寄り添い、
素直に落ちれば自然に昇る

放り出されて尚
手足は重く下がり
すすんで沈むのだから
 ....
走る戦場に文字を投げつけてると
膠着した後、跳ねられました。

それは拒否ですね
戦いからも弾かれる
世の隅で土を掘り
突き当てた文字を
渡したかっただけなのに

今は黒い空を見て
 ....
車の免許を取るときに
人間が優先です、と習う

それが頭に刻まれて
信号のない道を走る車や
歩行者の青信号で
右折したくて突っ込んで来る車を
よけずに堂々と歩く

車はビックリして
 ....
昨日きみとすれ違ったので
掌サイズのレモンをしぼった
種がとび出して地面を弾いた

今日うっかりきみに
話しかけてしまったので
直径一メートルのレモンに乗った
種がごろんと落ちて地面に寝 ....
柳の慈悲に手を払う
今私の道の側に
不器用な目で在る柳

振り返らず歩き去り
月に伝言を頼んだ

いつか必ず立ち止まり
枝をつかむその日まで
ただ見つめてと
とろけるチーズのせたまま
冷めてしまったパンに
レンコンのきんぴらをのせて食べている

昨日、きみが
予想以上に新しかったから
用意していた言葉の
半分しか言えなくて
よくわからない話 ....
批評には苦手意識を感じてしまうけど、書けるようになりたい。
重い腰を上げるには自分の好きなものと関連させてしまおう。
と思ったのですが、余計悩んでしまいました。
犬の詩は犬好きから冷静な判断を奪 ....
ワインで誰かを呼びながら
逃げ出そうする神経
全ての縄をほどいてきたのに
血管がかたまってしまった

ただピアノの弾く光を
追いかけることで
時間に恥じなくてすんだ

少しも珍しくな ....
あの頃の十一歳は、生理で休むなんて言えな
くて、シャワー待ちのマーメイドギャングを
蛇口ひねって一網打尽。がっさがっさとふる
いにかけて出てきたコだけが五年後も信用で
きる。

そんな気持 ....
跳んでみろ
ちゃりんちゃりん
持ってるな

最近のかつあげは
小銭じゃないらしい
もしもの対策に
ポケットにグロッシェン
いっぱい用意していたのに

グロッシェン
公園のゴミ箱に ....
レモン油にうたれ
泳ぎぬける頬白鮫
少年とケンカした後のように
胸の痛みを背で弾く

時には表情をくずせばいい
恥ずかしい格好で
私が下から足でこづいてあげる

知らない 
    ....
とってめかしいリンパの流れに、
ストップウォッチは疾走する。負け
ないようにCD―Rを回し投げ続け
たら、白樺の木を切り倒す結果にな
った。カミナリから我が家を守り続
けていた白樺の木。
 ....
抑えられて ふくらむ青
咳一つごとに 飛び散る景色
定まらぬ正中線が
欠片を探している

打ち上げられた海鳥が一声鳴いたとか

なぞったものを 刷り込めば
たがうことなく歩む夏
しば ....
大覚アキラの詩は油断できない。
分かりやすい言葉で書かれ、親しみやすい内容かと思わせておいて、
必ず後半にドキリとさせられる。案内されるままに無防備について
ゆくと、突然振り返ってナイフを突きつ ....
直角先生の背中を覚えてる
今にも椅子に座りそうな歩き方をしてた

私が勝手に背伸びしたのだよ
行動の意味もわからず
その後を追った
つもりだった

カクカク キカキカ

物静かな先 ....
絶対割れない泥団子だよ

あの山の土と水に
恩と憎しみ混ぜて
ぎゅぎゅと固めるとできるんだ
それを繰り返すこと十年

鉄のボールみたいでしょ
と少年に手渡すと
彼はすぐにコンクリート ....
少し遠くに執着が見える
何もないアスファルトへの
紐を引っ張られ、首輪で引き戻す
あの好奇心 あの自己主張

かつて共に過ごした老犬の気配に
身をゆだねてみる
成し遂げた人たちの無関心に ....
私はここにいたんですよ
時にはそっと問題を解くけれど
街灯が点いたり消えたりするから

羽のように笑っています
千切れた場所を見せびらかして
添い寝に意味なんてないのに
ベッドはやたら飾 ....
キャッチングキャッチングDVD
追いすがるよなひねり出し効果に
器具を掃って自己卑下チョップ
冗談さらせよ一転倒立
腰まげて6ロックB‐BANG
地べたに頬擦りしなきゃ
スコンスコンだるま ....
スパーンは何度も訪れる

スパーン!!

昨日、私は小泉首相になった
角ばった頬と細い目
三角定規の鼻
確かに、あのときは首相だったから

スパーン!!

鉄線好きなんだな
気 ....
アルフレッドの忙しそうな姿に目を釘付ける。
 胸のノコギリしならせて
  そっとギザギザ指でなぞりながら
疲れても金鎚で打ってしっかり釘付けておく。

アルフレッドはロイドジョージみたい
 ....
暴力的なラフランス
狂ってごらんなさい 
もともと腐った友達と
一センチの三枚刃
氷砕いて乳首の前でひるんだ夕べ
焦げつく匂いが屋敷の合図

ジュマペール黒のJ
歌っていたら泡吹いて倒 ....
木葉 揺(202)
タイトル カテゴリ Point 日付
とどくまで自由詩7*08/11/8 22:57
ギスギス自由詩2*08/11/3 21:09
雲雀と飛行機自由詩6*08/9/27 22:35
自由詩7*08/9/20 21:09
ローマンカモミール自由詩5*08/8/29 23:06
キツツキ自由詩4*08/8/16 1:15
ありがとう自由詩3*08/8/12 0:10
必要量自由詩4*08/7/19 23:51
腹式呼吸自由詩3*08/7/4 19:43
カケデスト自由詩5*08/5/18 0:00
死んでいくパターン自由詩2*08/5/5 17:18
レモン自由詩6*08/4/30 1:45
伝言自由詩5*08/3/30 1:00
まにあわせ自由詩3*08/2/15 14:03
批評祭参加作品■犬の登場する詩[group]散文(批評 ...9*08/1/29 1:25
刻印自由詩3*08/1/10 16:04
鼓動みくまく自由詩707/11/24 22:23
さよなら、お守り自由詩4*07/11/13 23:03
海の少女 Here she comes自由詩6*07/10/4 23:50
地球がくれた伝説自由詩307/9/22 3:51
夏しずか自由詩707/8/5 22:38
「用意していたナイフ」−大覚アキラ「水族館」散文(批評 ...8*07/7/11 15:40
right angles自由詩607/7/4 0:00
どろだんご自由詩707/6/21 23:15
まなざし自由詩10*07/4/1 4:06
路地自由詩13*07/3/20 19:12
後遺症ランニングファスト自由詩9*06/10/6 22:25
スパーン自由詩606/9/3 22:10
Projection自由詩506/6/21 1:27
暴力ラフランス自由詩13*06/6/6 15:04

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