から 海
砂木
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
この 指 に残る あつい 熱よ
ただ 自身の 防波堤 である
心細い 力の ない 肉 の塊
なみ ま に きえ る なみ
なみ だ に きえ る なみ
強く 強く 強く 握りしめて
それが 私 の 命 の こぶし
それが 私 の 祈りの こぶし
白い シーツ に 吸い 取られ
気力 の すべて ついえ ても
てのひら に 海
拳 の 中 産み の 力