から 海
砂木




まつげ の隙間
に からから 

閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて

輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも

この 指 の谷間 に吹く 風よ
この 指 に残る あつい 熱よ

ただ 自身の 防波堤 である
心細い 力の ない 肉 の塊

なみ ま に きえ る なみ
なみ だ に きえ る なみ

強く 強く 強く 握りしめて

それが 私 の 命 の こぶし
それが 私 の 祈りの こぶし

白い シーツ に 吸い 取られ
気力 の すべて ついえ ても

てのひら に 海

拳 の 中 産み の 力



自由詩 から 海 Copyright 砂木 2004-07-07 23:04:24
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