じゃあ、また
わら

ふらふらと 
京都から帰ってきた
 

またウイスキーを一瓶、
一気に飲み干して 

そうだな 
俺は俺を殺したいのだと思う 

今はそんな夜 


また見たいなと思えるものが 
世界だったらいいのになあ 

また会いたいなと思える人が 
いてくれたらいいのになあ 

「じゃあ、また」って 

そんな 



何に頼るものでもなく 
何にしがみつくものでもなく 

ふとした、 
こたえみたいな 

世界がそんなふうなら 
よかったのになあ 




はがれた爪が
声で

ふるえる唇が 
真実で 

ほそい髪が 
詩 




詩って言葉 
今も、しっくりこなくて
うまく使えないんだけれど 
だけど、やっぱり 
ぼくは詩のそばにいたいんだな 


ステージの反射する線が 
ほんの一瞬 
尊い 

うたうたいの耳鳴りのよう 

このゆらぐ意識の隙間で
すこしだけ 
みえる 



ぼくがここで読む、 
いくつもの人の 
いとしき人の 
こころふるわせる詩にも
ろくに「コメント」なんてものをつけないのは 

むずかしいこととかじゃなくて 
ただ、いろんなことが忘れられないからです 




こわがりです  

泥に沈みゆく私がいます 

いつも、こんな尊いものに 
ぼくなんかが言葉を放っちゃダメだと思っています
 

それが汚れなきものでありますように
 



あなたの言葉はきこえています 
ちゃんと胸に留めています 
だけど、 
うつむいたままでいてしまいます
罪悪感だけが拡がってゆきます
 
 

どうでもいいや、なんて
自分には言ったりもするのに  

きっと、 
だれかをしあわせにしたりする才能もないことを
ちゃんと分かっているんだ 

すこしだけ、そんな夜


  
こんな日には、なぜか 
数ヶ月ぶりに 
新潟かどこかに行ってしまっていた人から 
突然、電話がかかってきたりなんかして 

すこしだけ、帰ってきてたりしているようで 

「今日、会おうよ」って 


申し訳ない 
今日は、偶然 
ふらふらと京都だから 

詩人が細く、きれいだから 
会えそうにない 


またの時に、って  


でも、そんな

ふと、「また」って言う

あなたにも

あなたにも
 

つまりは 
まだ生きてくっていうことなのかな?

きっと会えるよ
いつか、どこかで
 

こんなに、こんなになのに 
こんなぼくに
 
すこしだけ 
こたえみたいな 



「じゃあ、また」って 


どんな神の 
バイブルなんかよりも 

一条の 

そんな 
言葉の 

降る
 


ふと、

「また」 って 

















自由詩 じゃあ、また Copyright わら 2008-04-28 02:19:27
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