ほんにゃら ほおい
乱太郎

いまいましい季節が過ぎ去って
春の匂いを運んで
ちいさな風が
独り言を
ちっちゃな声で

ほんにゃら ほおい

赤いランドセルに
まだおんぶされているような
ふきのとうの葉で
傘を差しても似合いそうな
猫じゃらしで
子猫といっしょに遊んでいそうな

くるくる

飛びながら

ほんにゃら ほおい

ちっちゃな頭に
くりっとした瞳をくっつけた
かわいい女の子のような
(決してロズウェルの宇宙人ではありません)

ぴょんぴょん

跳ねながら

ほんにゃら ほおい

電信柱にごっつんこして
大きくなった蕾を撫で撫でして
巣から一番に出てきたアリさんにご挨拶して

桜の花は
きっとお父さん

お母さんは
どこじゃ

ほんにゃら ほおい

気にする様子もなく

そんじゃら

こっちも

白い綿毛の雲に乗っかって

ほんにゃら ほおい


自由詩 ほんにゃら ほおい Copyright 乱太郎 2008-04-23 20:29:32
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