いのちの石 
服部 剛

地上を覆う 
夜の帳の重さを 
老木の林が支えている 

土深く 
張り巡らせた 
無数の根足を踏ん張りながら 

夕闇に黒く浮き立つ 
老木達をじっとみつめる 
君の体から放たれる 
二つの光 

一つは天へ昇り 
一つは地へ落ち 

星の灯り始めた夜空を
地上から仰ぐ君は 
棺に眠る屍でもなく 
翼のある天使でもなく 
光を帯びた体で 
独り立つ 

ほの白い頬に
影を刻み  

潤んだ瞳に 
星を映し 

魂の鏡に 
発光する 
いのちの石 



  ※ この詩はリルケの「夕暮れ」を参考に書きました。 








自由詩 いのちの石  Copyright 服部 剛 2008-04-18 20:18:34
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