6.背徳のプレリュード
朽木 裕

その優しさ、砂糖菓子の甘さ

日常が不完全すぎて隙が出来てしまうんだよ
自分の逃げ場を作ってしまうようで嫌なんだ

甘えてしまえば依存する
そんなのは嫌 嫌 嫌

その存在が意識に無意識に入り込んできてしまうんだ

大きな手のひらに撫でられてみたい
広い肩を抱きしめてみたい
無垢な瞳 泣かせてみたい 困らせたい
言い寄ったら困るのだろうか 想像してみたりする

それは背徳のプレリュード

甘い痺れ 毒
毒 チョコレィト
チョコレィト 甘い
甘い 優しさ
優しさ 貴方

想像すら罪になるのですか?
だって好きなんだ 仕様がないでしょう?

この雨みたいに貴方に染み込みたい
雫のように貴方を滴らせたい

貴方を好きになる前の私をかえしてよ
いつだって貴方は少し上から私を見ていて
困ったときにはいつだって助け出してくれるんだ

ずるい
ずるいよ

関係はなにも変わらない
私は貴方に好きなんて言わないまま

ただ焦れる
触れたい指は届かぬまま
貴方に好きと言えないままで


散文(批評随筆小説等) 6.背徳のプレリュード Copyright 朽木 裕 2008-04-17 00:03:28
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