正しい日本語を使ってる自信は、ない(えへん)。
角田寿星
ぼくが文章を書く時にいつも用法に迷うのが、「肯定的な強調」の副詞なんだよね。
何か出来事があって、その度合いが大きく良い時に用いることば…回りくどくて何のこっちゃ判らんけど、
この本は●●面白い。
の、●●に入ることばに、いつも苦慮しちょります。
みなさんだったら、●●に何を入れますか?何を入れるのが日本語として正しいんでしょう。
「とても」を選んだ方…
これは明治時代までは「とても〜ない、できない」とセットで用いられた、いわゆる「否定的な強調」の代表的なことばです。
現代では、間違いとまでは言えませんが、ぼくは使いません。
「すごく」を選んだ方…
「すごい」は「凄い」と書きます。凄惨な、ということばがあるくらい、やはり否定的な意味合いが強い。
ぼくは使いません。
「たいへん」「非常に」を選んだ方…
形容動詞が混ざってますが(照笑)。
「たいへん」は「大変」。大きな変化と考えれば何となくよさそうですが、やはり大きな変事なんですね。
「非常に」は非常時ということばからもお判りでしょう。
どちらも否定的な意味合いっすね。
「甚だしく」も、やはり似たようなことばです。
実はぼくが多用するのは、平仮名の「たいへん」です。
前述のことばの中では、否定的な意味合いが柔らかいかな、という感覚で、恐る恐る用いてます。
「やばく」「やばいくらいに」を選んだ方…
ええいっ、お仕置きっ、おしおきっっっっっ!!
「いと」「たいそう」「著しく」を選んだ方…
文法的には正しい日本語かもしれません。ただあなた、日頃からそのことば使ってます?
「いと」は死語、「著しく」は文語的でしかもニュアンス的には用法は限られてますよね。
「たいそう」は逆に口語性がかなり強い。
口伝の伝承文学なら合いますが、逆に普通に文章を書く際には細心の注意が必要だと思います。
うーん、少なくともぼくは、正しい日本語を使ってる自信がないっすよ。
「肯定的な強調」の副詞の用法について、誰か教えてくれたら嬉しいな、っと。