〜のようなもの
紫音

詩のようなものを書いてみる
ちょっと難しい言葉を使って
恋愛なんかも詠ったりしよう
寂しいとか恋しいとかも少し
それっぽく書いてみたりして

心の性感帯にあなたの吐息が
凪のように触れていく午後は
紅茶にクリームを入れる様に
白く優しく愛が染み伝わって

ほらなんとなくそれっぽくて
ちょっと詩らしくなったかな
定義なんてどこにも無いから
感じ思うまま書けばいいって

誰が言ったかは知らないけど
今どき詩なんて読む人いない
せいぜい谷川俊太郎くらいで
相田みつをは微妙だねなんて

微妙という言葉は断定を避け
雰囲気を伝える言葉らしくて
明日と今日の境界に生きる時
いつがその日なのか微妙なの

哲学的なことも触れて書いて
ちょっと勉強してるぞ違うぞ
なんて雰囲気も出してみたり
その辺りも微妙で良いなんて

考え抜かれた文字列でもなく
かといって自動筆記でもなく
強いて言うなら児童引き篭り
自虐も詩らしい空気作りです

日記みたいに書くのが最近の
流行のようなだから必然的に
何かいけないものを見せられ
覗き趣味が満たされるのかも

歌謡曲みたいに内容が無くて
深く考えることも必要無くて
だからなんとなく共感できて
そうそうなんて肯いてみたり

ああ自分は書きたいんだっけ
それとも読みたいだけだっけ
そんなことどうでもいいかも
書いてる人しか読んでないし

詩のようなものを書いてみて
出来上がったらまるで違うし
そんなこと全然気づかなくて
残る紛い物の詩のようなもの


自由詩 〜のようなもの Copyright 紫音 2008-04-09 13:20:09
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