春の切実
吉岡ペペロ

木蓮はほどけて

黄いろい死斑を散らせていた

桜の木々は赤く汚れて

ところどころに

灰いろのピンクを零していた


季節はひとつを終わらせ

ひとつを始めてゆくというのに

人間はそうでもないようだ

人間のもつ徳性が

つまらない出方をしてるよ

季節はひとつを終わらせ

ひとつを始めてゆくというのに


木蓮はほどけて

黄いろい死斑を散らせていた

桜の木々は赤く汚れて

ところどころに

灰いろのピンクを零していた


自由詩 春の切実 Copyright 吉岡ペペロ 2008-03-29 01:23:48
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