婚約式の覚書
逢坂桜

  婚約式が終了した。

  かたおもいではじまったわたしの恋が、

  あなたには不本意ではじまった、わたしたちの関係が、

  結婚へと向けて後戻りはできなくなった。

  あなたにすきと告げた約4ヵ月後、なぜかつきあうことになった。

  それから・・・ふたりで会った2回目、

  雑談からはじまった、わたしたちの結婚。

  何度か、消えそうに、つきあうことすら、消そうとした。

  でも、そのつど、あなたはよしとしなかった。

  お互いがすきになって結婚する、それでいいんだ、と。

  決してゆずらない。

  ただ、婚約式を終えて、結婚式ー結婚がめのまえにあって。

  逃げ場を探す気持ち、わかります。

  独身でいたいけど、
 
  でも、わたしがいなくなるのはだめ、という。

  つきあっていくうちに、いまが一番、あまえんぼだね。

  わたしもだけど。

  いまのままの延長で、生きて生きたいと願うふたり。

  いまもしあわせだけど、もっとしあわせになれる、と思う。

  わたしを強くしてくれたのはあなたです。

  どんなふうに年齢を重ねて生きていくかはわからない。

  それでも、互いがいない人生など、考えられない。

  あなたと同じ苗字になって、あなたとひとつの家に住んで、

  ふたりでひとつの夫婦になって、生きていきたい。

  しあわせは、ふたりでつくりあげるもの。

  朝も夜も、あなたのそばにいて、

  そんな時間を与えてくださった神様に感謝して、あなたに感謝する。

  こんなふうに仲良く生きていこうね。

  「神が合わされたものを
   人の手が離してはならない」

  離れない。

  そばにいる。

  わたしのしあわせ、あなたのしあわせ。

  生きること。

  ふたりが生きること、ふたりで生きること。

  5月5日、ふたりそろえた同じ指輪に誓いましょう。

  今日の約束は、その日を迎える約束です。
 


散文(批評随筆小説等) 婚約式の覚書 Copyright 逢坂桜 2008-03-23 23:19:21
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染めしおもいで