夜の散歩道
たりぽん(大理 奔)

裸のまま
まぶしそうな仕草で
月明かりに浮かぶ
広場の青銅像の影が
焦点を化石の姿に結ぶとき
恐竜の骨、それが
今日のあなたの言葉

  騙し絵は嘘もつかずにごまかしてきた
  勘違いは罪ではないのよと
  ただ真実ではなかったと  

罪でもいい、深く深く
すべて自分のものだと
信じられる痛みで
化石の骨から答えを探し出す
ふりかえる姿
眠そうな声
いつもの靴下の色

描きかけのスケッチは
月明かりの色彩で
焦点を銅像に結ぼうとするが
街灯の青白い光が
ぼんやりと影を振りまいて
いつも見失ってしまう

もう遠くて姿が
見えなくなってしまった、せめて
いちばん黒い影を探そうと僕は

くりかえし
立ち上がったり
座ったりしている

  



自由詩 夜の散歩道 Copyright たりぽん(大理 奔) 2008-03-23 00:13:30
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