サヨナラバード
唐草フウ
サヨナラバード
冬の月をのりこえて
きみは、きみの場所へ帰る
たくさんたくさん手を振った
またねと云うのが本当はさみしかった
たぶんぼくは忘れるだろう
毎日の雑多におわれて
そして空が聴こえたころに
想いだして憂うのだろう
サヨナラサヨナラサヨナラバード
また会えるのにどうして
約束はしてもしなくても
こよりのように揺れていて
だからせめて楽しそうに
帰ってくれないか
ぼくのいないうちにスッと
空が教えないようにそっと
そうして、いくつもくり返しては
目から失った瞬間を送る
膝がおちないようにして
空に焼いているんだ
またねとたやすく言うことが
本当はとてもさみしかった
ふしぎなことに二度と
会えないとは思えなかったから