サヨナラバード
唐草フウ

サヨナラバード
冬の月をのりこえて
きみは、きみの場所へ帰る
たくさんたくさん手を振った
またねと云うのが本当はさみしかった

たぶんぼくは忘れるだろう
毎日の雑多におわれて
そして空が聴こえたころに
想いだして憂うのだろう

サヨナラサヨナラサヨナラバード
また会えるのにどうして
約束はしてもしなくても
こよりのように揺れていて
だからせめて楽しそうに
帰ってくれないか
ぼくのいないうちにスッと
空が教えないようにそっと

そうして、いくつもくり返しては
目から失った瞬間を送る
膝がおちないようにして
空に焼いているんだ

またねとたやすく言うことが
本当はとてもさみしかった
ふしぎなことに二度と
会えないとは思えなかったから


自由詩 サヨナラバード Copyright 唐草フウ 2008-03-22 19:42:11
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