相互関係同時存在異常症
唏羅

自分を1つの固体だと考えた時

自分の存在がわからなくなった


自分の中でもう一人の自分を作った時

自分とは一体何なのだろうと思う



もう一人の自分が自分として行動をしている時

動かしているのは自分なのに自分ではない気がしてくる

頭の中で描いたもう一人の自分は理想そのもので気分が良い

‥だがそれは誰だ?

自分であるはずのもう一人の自分が動き頭からそれは脳へと映像化され姿までもが浮かんでくる



もう一人の自分がそこに自分として存在する時

その時果たして自分は存在していると言えるのだろうか?



もう一人の自分こそ存在していると言えるのだろうか?




独り歩きするもう一人の自分に知らず知らずのうちに取り留めることも出来ないくらいに焦り苛立つ日々

なら捨ててしまえば良いと思う

なかったことにしてしまえばいいと思う

‥なのに‥捨てられないのは何故だろう?

依存?

‥いや‥そんな簡単な言葉で力ではすまされない




自分ともう一人の自分を背中合わせに重ねた時

はっきりと世界に映り残るのはどちらなのだろう?

自分が真か否かが決まる時

何を思って審判を聞き届けようか

審判員は紛れもなく自分

横で笑うもう一人の自分が憎い

でも審判には逆らわない

そこまでしてもう一人の自分を否定はしたくないから

もう一人の自分を作った時

自分を1つの固体だと考えた

ならば自分の中にいるもう一人の自分もまた1つの固体だと言えるのだろう

なら逆らう必要などない

自分を縛り付けていた理性の縄を切って

存在しているもう一人の自分に会いに行くまでだ

相互関係の輪を知らず

最初に踏みいったのはどちらだったか?

同時存在に怯え

最初に潰しあいにかかったのはどちらだったか?

異常症と判断し

最初に会話をしなくなったのはどちらだったか?

もう一人の自分は答えてはくれない

自分自身も答えはしない




【相互関係同時存在異常症】

自分を1つの固体として考えた時

自分の存在がわからなくなった

自分の中でもう一人の自分を作った時

手に入れるために失ったモノ

存在理由を奪い合う今

答えをくれる自分を描く

何度も何度も

理想を探して‥


自由詩 相互関係同時存在異常症 Copyright 唏羅 2008-03-22 13:38:34
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