デバイス
鎖骨



保守的であることが、お前を駄目にしてしまうと
片手で数え切れる、僅ない友人らから同じ日のうちに云われたので
帰りぎわに籠一杯に酒を、
よりにもよってコンビニで買い込んで
帰宅するや否やちゃんぽんしてやった
スタンドに掛けたストラトが哂い出す
「昨日はとても寒かった」「今日も僕は一人だった」「明日はきっともっと」
アルコールが作用する頭には心地よく響くから
手にとって弾くことはしないで
そのままにしてあげる





プラグを挿してやると
ラジオもトランジスタに僕をトランキライズ
人間を並列化しようとするテレビに新聞を捨ててから
1DK六畳一間が随分広くなったよ
か細き思念の僕らはデバイス
何もかもがデジタル、でも時にアナログ
0と1に変換されてしまう複雑を装った崇高な単純
互いに干渉しあう、コンデンサを苛立たせてまで
僕らは、僕らは
何のために
こうして
在るんだろうか



自由詩 デバイス Copyright 鎖骨 2008-03-18 00:01:11
notebook Home 戻る  過去 未来