love today
rabbitfighter

集められる限りの写真を集めて、アルバムにすればいい
一人部屋でページをめくり
かつてあった日々の思い出を愛せ
それらの日々をノートに刻み込め
言葉にできないことはみんな行間に遊ばせたまま
言葉にできないまま行間に遊ばせたまま

love for a day

窓の外を美しい人たちが歩いている
体中にめぐらせた毛細血管が血液を運んでいる
君の皮膚の下でいくつもの層を重ねる
脂肪が、筋肉が、骨が、反響している

一番奥にある心臓の中で、
   思い出がさらに奥のほうに向かって広がっていく

love for a day

星が砕け散るように
いつか愛が死んだら
親愛の日々が始まって
一番奥にある心臓の中で、
   思い出がさらに奥のほうに向かって広がっていく

love for a day

一点に向かって広がる物語の中で
君だけが立ち止まっている
かつてあった日々の思い出を愛しながら
僕は未来に立ち向かうのではなく
ただ窓を開けて
風を顔に受けて
体の外に広がっていく世界が
一番奥にある心臓を中心にして
   今日がさらに明日のほうへと向かって広がっていく

love today

外へと向かって広げられるのは
せいぜいがその両腕ぐらいじゃないか?
その手を伸ばしてつかめるものなんて
数えられるぐらいにわずかじゃないか?

だから歩けばいい
君に会いに行くよ
僕たちは移動する点でしかないけど
思い出の中では会えなかった君に
体中をめぐる血管がとても美しい
立ち止まったままでも鼓動が止まらない
立ち止まったままでもお腹がすいてくるんだ

love today

思い出が体の中で、
今日を愛せって言っている
死んでしまった愛が、
今日を愛せって言っている

love today

星が砕けると
そこら中に愛が散らばって
親愛の日々が始まる

今日はいくつもの層を重ねて
その上で僕たちは手をのばし

今日はいくつもの層を重ねて
その上を僕たちは歩いてる



love today by Taja


自由詩 love today Copyright rabbitfighter 2008-03-12 00:54:09
notebook Home 戻る