べたべた。
はるこ


さっきから手がべたべたしている。
苺ジャムみたい あなたが触れると べたべた。べたべた。

どんなに遠く離れても べたべた。べたべた。
この触れた右手が覚えてる あなたのいる場所。
右手をかざせばあなたが分かるの。

もうずっと手がべたべたしている。
好きになったときから、 もうずっと。
苺ジャムみたい わたしの心まで鷲づかみ。
 おかげで心もべたべた。べたべた。

甘くて美味しいその手から わたしの全てを奪って
わたしを食べつくして

触れたところがすべてべたべたしている。
頬も首筋も くちびるも すべて。 べたべた。べたべた。

このまま溶けてしまいたい。
あなたとふたり、 ずっと。
べたべた。 の渦に 溶けてしまいたい。
溶けようか? ね。


自由詩 べたべた。 Copyright はるこ 2008-03-07 23:46:47
notebook Home 戻る  過去 未来