あめなめ
木屋 亞万

アメを転がす
回転する中身は
洗濯機を
思わせる
温かい波の
中にいる

滑らかであった
表面が液に
溶かされ
かわいげのある
チクチクが表れる

しばらく舌で
ざらつきを
遊ぶのだが
加減のわからぬ
奥歯はそれを
かみ砕く

フロントガラスを
かじりとった
小さなあめつぶは
臼の歯ですりつぶす
僕らは草食人間

歯型のついた車で
週明けには
ドライブに行こう
肉食の鬼から
逃げ出してしまおうよ


自由詩 あめなめ Copyright 木屋 亞万 2008-03-07 00:31:52
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