向日葵の昇る日
霜天

覗き込んだ空が
思いのほかまぶしかったので
慌てて手を
空へ
小さすぎるこの手じゃ
空はちょっと重すぎる

飛行機が雲を連れながら
一色の空を抜けていくので
からからに乾いた校庭を
その線に沿って
まっすぐ

見上げる向日葵が空に昇る日
塩素の匂いと
水飛沫
変わらない夏のかたちを
なぞっていた頃

四角い水の中からの世界は
きらきらとあちこちに反射して
止めた息の向こう側
向日葵は変わらずに
僕等を見ていた



太陽は今でもぎらぎらとまぶしくて
大きくなった手でも
空はまだ重すぎる

夏のかたち
向日葵の昇る日は
遠くて
近い


自由詩 向日葵の昇る日 Copyright 霜天 2004-06-30 02:22:49
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