向日葵の昇る日
霜天
覗き込んだ空が
思いのほかまぶしかったので
慌てて手を
空へ
小さすぎるこの手じゃ
空はちょっと重すぎる
飛行機が雲を連れながら
一色の空を抜けていくので
からからに乾いた校庭を
その線に沿って
まっすぐ
見上げる向日葵が空に昇る日
塩素の匂いと
水飛沫
変わらない夏のかたちを
なぞっていた頃
四角い水の中からの世界は
きらきらとあちこちに反射して
止めた息の向こう側
向日葵は変わらずに
僕等を見ていた
太陽は今でもぎらぎらとまぶしくて
大きくなった手でも
空はまだ重すぎる
夏のかたち
向日葵の昇る日は
遠くて
近い