まっかなきもち
アンテ


ゆみちゃんはぽろぽろなみだをながして
ひたすらなきつづけた
てくびをとると
けっかんがきもちでふくれあがって
どくどくおとをたてて
いまにもはちきれそうだった
かおがむくんで
くちびるがむらさきいろにへんしょくしていた
のどからもれるのはくうきばかりで
きもちはますますたまるいっぽうで
なみだのぶんだけすいぶんがへって
ますますきもちがこくなって
てあしがけいれんをおこしはじめた
てをひっぱって
せんめんじょにかけこんで
じゃぐちをのどにとりつけると
どぼどぼ どぼ
おとをたてて
まっかなきもちがながれだして
ながしがひどいありさまになった
ゆみちゃんはなんどもなんども
くうきをのみこんだりはいたりして
はげしくせきこむたびに
じゃぐちからびゅっびゅっときもちがとびちった
くちびるからつばがたれた
なみだがぽろぽろながれおちた
すこしずつましになって
きもちがぜんぶできったようなので
のどからじゃぐちをはずして
ごみばこにすてた
ながしにとびちったきもちを
たわしできれいにあらいながすあいだ
ゆみちゃんはすみっこでうずくまって
ぼんやりわたしをみていた
やっとあとかたづけがすんだので
じどうはんばいきでじゅーすをふたつかって
うらにわのすみっこに
ふたりならんですわった
ゆみちゃんはのどをならしながら
ほんとうにおいしそうにじゅーすをのんだ
わたしのぶんもほとんどぜんぶのみほして
ながいながいためいきをついた




自由詩 まっかなきもち Copyright アンテ 2004-06-30 00:41:23
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