類人猿より少しだけ不幸な人類
あおば

           08/03/02





平原児といわれた男
カーボーイ稼業に精を出し
酒も余り飲まず
無駄遣いしない律儀な男
給料を貯めて牧場経営に乗り出して
その地方の名士になったのかと
想像を巡らすが
どうやら見当外れのようで
剽軽な優男
喧嘩慣れした拳銃使いの活躍を
おもしろおかしく描いた西部劇
ではないのかと
シルクハットのお兄さん
見てきたような出任せを
くるりくるりとルル述べる
口から生まれる摩訶不思議

腰抜けの罰点棒を振り上げて
逃げ場のない浮浪児の
ボタンとリボンを捕まえて
殴る蹴る、殴る、殴る、殴る
まことに残酷な場面ですが
戦争に馴れた国民には
猫をかんぶくろに押し込んだ
故事来歴もあるのだし
調べだしたらきりがない
このくらいが
丁度よい刺激かと
シナリオ作家は考える
窓の外では農作業
くるりくるりとくるり棒
豆の成る木を撲っ叩く
晴れたら暑い季節です






自由詩 類人猿より少しだけ不幸な人類 Copyright あおば 2008-03-02 02:09:11
notebook Home 戻る  過去 未来