ステラ
山中 烏流

 
 
噛み付いた腕から
流れていく、深層
 
とめどない呼応の先で
波打つ音叉から
溢れるのは
光、の、ようなもの
 
例えばそれは
あの
白に、似た
 
 
******
 
 
ステラ、瞬いた尾ひれ
 
掴んだ/もうとした
その、すぐあとで
生まれる
ちいさな、手足
 
ステラ、導いた目線
 
ぼやけた/てしまう
その、輪郭の側に
映る
おぼろげな、瞳
 
 
******


今、私は
いつかの童話から
抜け出してきたような
寂しさに
流されているのだと
知る
 
 
 (ステラ、それは
 
羽ばたいた
生命たちの、奇跡
みたいで
 
 
******


覗く、そして
一瞬の波間
飲み込まれる感覚
 
私は
指先から、溶けて
尾ひれを思い出して、
い、くの、の、
 
 
 
 (ステラ。
 
 
 
生命たちの、奇跡
 
みたいで。
 
 
 


 


自由詩 ステラ Copyright 山中 烏流 2008-03-02 01:26:05
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