/億千と降る視線の海の中で、彼は息をしている/沈んだ髪の毛に吸われる水量は、きっと涙よりも多かった/十字を切る手首。首から泳ぐキリストには目もくれない/ ....
 
 
 
 
・あいじん
 
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
 
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
 
 隠れる、ようにして
 
 ....
きみの世界が回る
その自転を知り、触れたいと思う
わたしが逆らっても
きみは進んでしまうから
追い付くことはない
 
 
 
きみを紐解くように
その髪を梳いている
  ....
 
 
 
純白のミルクセーキと熟れ苺 コーヒーの黒、水の透明
 
 
 
モナリザの子宮から出でたいと言う
偽物で良ければこの絵から、
 
 
 
枯れ葉で埋めたブランコに着 ....
1ページ目にあったのは
ぐちゃぐちゃの字で書いた目次で
そのページの下の方には
同じような字で「見るな!」と書いてあった
そういえば、もっと小さい頃は
この自分の字に怯えていたこ ....
 
 
*AM4:00
 
朝が早い
 
 
青い鳥は見付からなかった
いつもそうだった
 
 
 
*AM3:00
 
戸締まりの仕方が分からない
声だけが湖になる
 ....
 
 
 
*シアター
 
エンドロールが終わらない
私は世界史を勉強していて
あなたはきっと誰かを抱いていて
この子はたんぽぽの夢を見ているのに
 
 
 
*レストルーム
 ....
潮の香りがする





ふつり、と
食い込む仕草を

男だという



それに合わせ
ざらついた表面が騒ぎ

私は
頬を赤くする



その一連 ....
小さく
丸めようとする
その
折れ曲がった
真ん中

抱きたい
と、私

水音のよう

耳元が
塞がれる
始終
ただ、そんな
事ばかりを
思う



切 ....
 
 
夕暮れ色のカーテン
 
宇宙を纏った私から
紺色が滲むのを
面白がってしまうのは
いけない
ことでは、ない
 
 
茹だるような季節には
いつも
特有の風が吹いて
 ....
 
 
例えば。
 
 
茹だるような青が
私たちを押し潰した夏に
もしも、一握りの白があったとして
 
それは
冬たる物になるだろうか?
 
 
アスファルトに溶け ....
 
 
 
 
玄関を覗くと
見知らぬひとが
まるで、見知らぬひとのように
寝そべっていて
会釈で挨拶を済まし
扉を開くと
そこには黒い影だけが残り
あとは色だけだった
 
 ....
 
 
 
 
茶色のひかり
鋭利過ぎた沈黙
それらが開くのは
私のあたまの奥
 
まどろみの海で
死体ごっこ
理由を探すふりで
そうやって遊ぶ夕べ
 
 
 
 
 ....
 
 
捨てようとしたものは
様々な色を持って
どんなときも
私の中で弾けているの
、と
 
そう言ったのは
昨日の私だった
 
 
 
生温い肌が
ゆっくりと/音をたてて ....
 
 
 
 
栗の花が、匂う
 あの子のスカートは
  本当に秘密だろうか?
 
 
 (あ、あ、あ、暗転
 
 
時折
飴玉が降るらしい
都会のような片隅
 
私の ....
 
満ち満ちる
そうして、あなたは
ほの暗さと等しく
すぐ先のことを知る
 
生温さを聞くのなら
灰色は
多分、味方なのだと
 
そう言って
私はいつもより
 ....
したためた言葉の数だけ
私は、知ることを
赦されている
 
 
 
 
・おやゆび村
 
 
広場の真ん中は
噴水が陣取っていて
そこには
何人かの子供と
一匹の動物がいた
 
動物は
子供たちの真ん中で
小さくなって
子供 ....
 


 
まるいかたち
ぱすてるなおれんぢ
やらかくはねて、すいてき
 
ゆびで
かるくつぶすことも
くちびるで
つみとることも
わるいこ、にしない
やさしさ
 
 
 ....
 
 
 
 
羽の音が、する
 
飛び立った男の子と
手を引かれながら
つたなく飛ぶ
女の子のすがた
 
透けるように薄い
ぺらぺらの羽は
あまりにも、心許ないから
 
 ....
「伸ばしたときには
 すぐ先の庭で
 私のしたいが
 転がることでしょう

 時に、唇は
 鼓膜を
 突き動かすために
 震えるのだといいます

 背後に広がるうみ ....
 
 
 
 
淡い、おれんじ
 
暖色のライトと
薄青いカーテンに覗く
しあわせ
 
 
頬張る一口に
乗り込むボサノバ
 
笑顔を作る魔法
私、だけの
秘密
 
 ....
 
 
 
 
 
 
小指の先くらいの
小さな虫が
ほんの僅かなひかりで
戯れる頃
 
私も
肉眼で見たとして、
あなたの瞳くらいの
月を
眺めることでしょう
 
 ....
 
 
 
 
 
 
窓際からの風が
僅かに
ほんの僅かに
口角を持ち上げては、
私を彩る
 
それは
ふらつく指先から
あなたの
瞳までの距離を
計ろうとする度に
 ....
 
 
 
 
 
 
 ・三日前の話
 
 
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
 
 ....
 
 
 
 
 
 
待ち合わせの丘
日だまり色のカーテン
この窓辺で
私は、煌めきながら
そよ風に
なるのだと思う
 
そして
空白にも似た
意識の海で、泳ぐ
その ....
 
 
 
 
「思い出すことに
 何も、見いだせないまま
 私は
 その一端を
 囲うようにして
 しまったのだ(、ろうか」
 
 
踵から伸びた
私、らしきもの、の影
 ....
 
 
噛み付いた腕から
流れていく、深層
 
とめどない呼応の先で
波打つ音叉から
溢れるのは
光、の、ようなもの
 
例えばそれは
あの
白に、似た
 
 
**** ....
 
 
 
 
 
夜/(隠れながら、
 
背丈に近い芦と
足元に並ぶ、飛沫は
戸惑いを隠すように
そっと
さざなみを散らす
 
 
夜/(恥じながら、
 
紡ぎだす模 ....
 
 
木製のパレットに
弾かれていく、水泡
そこから零れ落ちる/滲む
たくさんの、はじまり
 
かたどった筆先を
やわらかく
浸した水面には、
ほのかな色を持った
円卓が
広 ....
山中 烏流(307)
タイトル カテゴリ Point 日付
最果て自由詩1*08/12/30 1:05
ほしくずたち自由詩6*08/12/29 21:17
きみが眠ったそのあとで、たった一つの本当を自由詩3*08/12/18 13:42
ねじ曲がる短歌1*08/12/11 17:00
スコアブック自由詩1+*08/12/10 12:33
夜明けのための即興詩自由詩17*08/11/12 16:06
世界らしき違和感自由詩8*08/11/7 11:07
うみ自由詩8*08/10/12 4:59
ももいろ自由詩3*08/8/23 4:25
ソーダ自由詩5*08/7/20 20:24
家族自由詩8*08/7/18 12:48
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自由詩2*08/6/13 22:32
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てのひらの街自由詩308/5/23 0:33
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ひぐらし自由詩808/5/5 4:04
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ぼさのば自由詩0*08/4/30 12:30
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忘れていくための、自由詩7*08/4/4 13:52
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創書日和「月」 月夜[group]自由詩108/2/26 22:35
みずの春彩自由詩4*08/2/25 22:40

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