新月
松本 涼

渚で僕は待っていた
僕がここにいることを
知らないものを


しかしすべては
息を潜めながら
僕がここにいることを
知っていた


そのとき新月は
僕に向かって
小さくこう言ったんだ


「おかえり」


そうして
僕はもいちど
空と握手をすることにした


自由詩 新月 Copyright 松本 涼 2004-06-27 12:08:16
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