水町綜助

 しお きかせてくれ
 なみのまにまに
 うまれた
 しろい
 あわつぶのようなしお

 なつのうみからあがって
 かわいてゆくくろいはだに
 いくつも結晶するしお


 しお きかせてくれ
 そとはあついからこんなに
 そとはさむいからこんなにも
 いやおうなしににじみだす
 あせ なみだとち
 それをなめれば
 したにうかぶ
 また いのちをおぎなってしまうしお

 きもちがはやるんだ
 たくさんゆびをうつ
 こどうが
 どんどん
 どん
 どん
 どんどん
 どん
 どん
 からだをぶれさせて
 ぼくをかさねつづける
 じかんの
 ながれは
 どちらに
 むいていても
 いい
 ぼくたちには
 みわたす
 ランドがある
 みわたせない
 うみのさき
 おかのさきがある

 つぶを
 なんつぶも
 しを
 きかせてくれ
 なくせない
 かわかせる
 なくしたい
 しお

 ぼくも
 きかせるから

 まだいまは
 ききたいんだ



自由詩Copyright 水町綜助 2008-01-28 17:42:26
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