雪だるま
麒麟

新しい扉を開けると
君がきっと溶けてしまう
かわいくて
すこしいばっているヤツだ

遅めに降った雪を
手のひらに収まるくらい
二つ丸めて
小さいのを重ねて
まーるい炭でボタンをかけよう
ほそ長い石でめんたまをあげよう

寒そうだから
僕の部屋においで
暑いんなら
今日はストーブを焚かないからさ

朝になって目が覚めて
しまったと思った
だけどちゃんといた、窓のそば
あげたボタンを誇らしげに

新しい扉をあけると
僕は出かけなきゃいけない
部屋はかんりにんがすむから
君はおい出されてしまうでしょ

さようなら
君にまた会いたいけれど
この部屋にはもうこないんだ
小さな鍵をかけてしまうから

だから、どうかお願いだ
どんなに寒くても
ストーブだけは焚かないで


自由詩 雪だるま Copyright 麒麟 2008-01-23 18:47:10
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