火傷と海水
猫のひたい撫でるたま子

薬指、首筋、恋人ってことば

みんな印をつけたがる

指輪も、爪跡も、言葉も風化してなくなってくのに

いまだけ

今日だけ

布団でだけ

それでもいいから印をつける

拘束はできない

拘束されるのを喜ぶ

なにも記せないし、

なににも触れない

それが悲しくて

あたしは今日の印を焼き付けるのに

何をまちがえたんだろう

強欲はすべて剥奪の可能性を含む


何もいえないから
何もいわせないから

不機嫌で黙り込んでるあなたに

会いたい、顔がみたい

なんでもいいから声がききたい


おわりも、はじまりも指示はすべてあなたに


自由詩 火傷と海水 Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2008-01-19 12:22:48
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