遺跡泥棒、冬
あおば

            080116


世界の火事に
あたふたあたふた
おっとり刀のお爺さん
乾パン抱えて逃げてゆく
何処に行っても助からない
原爆水爆
核弾頭は弾けて
散って
核の冬が訪れて
焼け野が原にも
月が出て
茶色の地表を眺めます
愛おしむのは
お地蔵様で
泣いて笑って
恋い焦がれたのは
焼け野が原の
夾竹桃
夏が来たから
咲いたのに
原爆水爆投げ込まれ
寒い冬に逆戻り
お日さまゆっくり
顔を出し
明日も来るよと
苦笑い
遺跡の整理は
ゆっくりと
月が欠けても
慌てない


自由詩 遺跡泥棒、冬 Copyright あおば 2008-01-16 19:44:17
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