漂流
プテラノドン

昔、
浜辺に白紙が漂着した。
それは昨日、
ぼくが君に貸した
本の一ページだった。
文字はおろかシミさえ無くなっていて、
大海で起こりうる時間の消失を
実証するのに充分だった。もしくは、
船の上から岸を探す
君が望遠鏡のように
丸めた一枚の紙。
それこそが、
ぼくが君に貸した
本の一ページだ。


自由詩 漂流 Copyright プテラノドン 2008-01-15 21:15:52
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