ひかりの鳥 
服部 剛

初出勤のバスには 
4人の乗客 

到着するバス停を降りて 
それぞれの瞬きを胸に
それぞれの舞台へ 
散らばってゆく僕等は 
地上に降りた 
4っつの星 

体の透けた 
帽子と服だけの運転手が 
白い手袋でハンドルを握り 
(夢の国)行きのバスは走る 

たった一人
バス停に降りる時 

いにしえの明日香の郷から 
こちらを目指し 
遠い空に翼を広げる 
ひかりの鳥 

仰いだ頭上に 
樹木が一本 
黒い枝を揺らし
待っていた 








自由詩 ひかりの鳥  Copyright 服部 剛 2008-01-04 23:54:05
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