12月-1月
音阿弥花三郎

北風にはこばれてくる
除夜の鐘の音
をはじめて聞いたおどろき
きみをせかせて
午前零時十分
外へ出たのだ
深夜の新年を祝うため
遠い振動
からだをつつむ時間
おわりとはじまりの相反する時を
梵鐘は交合させるのか
冷気があたたまる
梵鐘はゆらりと近づく
寺はどこにあるのか
地図をさがしたが
ただ小さなみずうみがあるだけ 
そうだ
凍った湖水に
沈める寺院

朝がくると
まいとしのように
ただに明るく
数時間まえに聞いた鐘の音は
過去になっている


自由詩 12月-1月 Copyright 音阿弥花三郎 2007-12-31 17:53:31
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